花江夏樹が演じた中学生の迷いや不安「自分の気持ちが言えないところは、僕 と似ている」
クラスメイトからはちょっと変わり者扱いされているムゲ。花江の目には、このムゲという女の子はどんなふうに映ったのだろうか。
「最初は『なんだこの子は』って印象でした(笑)。確かにムゲは好きな男の子に対するアプローチの仕方とかが人とちょっと違っているんですけど、芯には本人の温かさが感じられるんですよね。特に心に残ったのは、ムゲが書いてくれた手紙。あそこにムゲの気持ちや人柄が表れていて、どんどん好きになりました」
そんなムゲのことが少しずつ気になりはじめる日之出。ふたりの関係性の変化も、本作の見どころのひとつだ。
「接していくうちに、いつの間にかムゲに憧れるようになったり、自分の将来について決心したり。
日之出の心の変化が自然に描かれていたので、何か特別に意識しなくても、ストーリーを追っていくだけで、僕も日之出の変化を表現できたかなと思います」
猫として過ごすうちに、どんどん猫と自分の境界が曖昧になっていくムゲは、猫店主から人間を捨て、猫として生きるよう迫られる。
「日之出自身、ムゲがいなくなることで初めてその大切さに気づけたというか。そこからの日之出の成長は大きかったなと思います。