くらし情報『バロック界の巨匠鈴木雅明が語る『第九』の魅力』

バロック界の巨匠鈴木雅明が語る『第九』の魅力

ベートーヴェン生誕250年記念バッハ・コレギウム・ジャパン《第九》


2020年も最終盤に差し掛かり、本来であればクラシック界は『第九』シーズン真っ盛りのはずだったが、コロナ禍の今年は様子が違う。

例年であれば12月だけで150を超える数の『第九』公演が今年は激減。クラシックファンにとっては物足りない年末だ。そんな中で、世界最高のバッハ演奏団体として名を馳せる「バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)」が『第九』を手掛けるとなれば、これは気になる(12月27日東京オペラシティコンサートホール 14:00 / 18:00)。

BCJの創設者にして音楽監督鈴木雅明氏に、その思いを聞いてみた。

●近年ベートーヴェンの取り組みが増えていますね。

ベートーヴェンの音楽には子供の頃からずっと触れてきましたので、決して遠い存在ではありません。BCJとして最近、バッハの『ロ短調ミサ』とモーツァルトの『ハ短調ミサ』、そしてベートーヴェンの『ミサ・ソレムニス』を演奏する流れがありました。
この3曲の共通点は、「ミサ」という公的なテキストに個人的な事情と個人的な感情を込め、頼まれもしないのに作曲したという特殊性です。バッハの場合、頼まれもしないのに作曲した声楽曲は他にありません。

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