濱田めぐみ 『ファインディング・ネバーランド』は現実に生きる人間たちの話
あるでしょう。あそこで、身体の中の水分がブワーっと溢れ出た気がしました。こんな感覚になるのは久しぶりだなと思った記憶があります。
――その時にはまだ濱田さんがシルヴィアを演じる話はなかったわけですよね?
まったくなく、観客として楽しんでいました。でも、私はシルヴィア目線で観てましたし、なんなら心の中でなりきっていましたよ。シルヴィアが咳き込むシーンを思い出し、家に帰ってから咳き込む練習とかしていました(笑)。私だったらどう演じるだろう? と。その後ハタと「なんて無駄なことをしてるんだ」と思いましたが、それくらい感銘を受けたんでしょうね。
――では今回、実際にシルヴィア役のオファーがあった時には嬉しかったのでは。
はい。とても重要な役ですし、子どもたちのお母さんとしてとても素敵に描かれています。何よりあの世界の住人になれるんだと思ってワクワクしました。「しっかり頑張ろう」と気合いも入りました。
――シルヴィアはどういう女性でしょう。
夫に先立たれた、4人の子どもの母親。色々なものを抱えている女性です。
彼女の抱えて いる悩みや葛藤はとても深いと思います。ですが、彼女の身の上に何があったのか明確に描かれているわけではないんです。