2021年6月18日 18:00
“本当の友達”ってどんな人? ピクサー最新作『あの夏のルカ』監督が語る
イタリアで生まれ育ったカサローザ監督は「僕は自分の進むべき道を見つけるのに、時間がかかってしまったんです」と振り返る。
「高校を出たあとは法学を勉強していたんです。でも勉強している時間よりも……絵を描いている時間の方が長かった(笑)。両親にも『いまの自分は間違った方向に進んでいる気がする』と相談したこともあります。イタリアでは大学に通うのにそれほど学費がかからないのですが、美大は私学なので進学するとなれば親に大きな負担をかけることになってしまいます。
そんな時にふと『アニメーションの道があるじゃないか!』って思ったんですよ。ディズニーの黄金期のアニメーターたちについて書いた本(1981年に出版された『ディズニーアニメーション 生命を吹き込む魔法 ― The Illusion of Life ―』)を手にしたこともきっかけのひとつでしたし、1980年代のイタリアでは日本のアニメーションがたくさんテレビで放映されていて、それを観るのも大好きでした。それにアニメーションであれば、自分の描いた絵を動かすことができる!
そんな時に友達がニューヨークでアニメーションを学んでいることを知りました。