撮影:鬼澤礼門
「孤独」という言葉は、どこか強い引力を秘めていて。口にするだけで、心の暗がりに飲み込まれてしまいそうになる。
けれど、有村架純は言う、孤独は悪いものではないと。
「私、人は一生孤独だと思っていて。結婚してパートナーがいて味方がいたとしても、やっぱり生きていくのは自分自身。あらゆる決断含め自分でやらなきゃいけないし、人は生涯1人で戦うことになるんだろうなと思っています」
決して悲観しているわけではない。諦観ともまた違う。事実を事実として、ありのまま捉える。
そんな口ぶりで彼女は続ける。
「孤独って、なんとなくネガティブなワードのイメージがありますよね。でも私は、人は孤独かもしれないけど、1人じゃないと思っています。周りを見れば、人はいてくれる。ちゃんと自分が人を大事にしていれば。そういう考えもあると思っています」
ちひろさんは、誰かを救おうとは思っていない
有村架純が孤独について語ったのは、2月23日公開の映画『ちひろさん』で演じたちひろさんが、心に孤独を抱えた人だから。
飄々としていて、誰にでも分け隔てなく接する元風俗嬢のちひろさん。海辺の街の人々は、次第にちひろさんに癒されていく。