【峯田和伸ロングインタビュー】『越年 Lovers』撮影裏話や大好きな映画・音楽の話まで
役者は負けちゃいます。
撮影裏話:「あのシーンはよかった」とみんなから言われる
『越年 Lovers』 (C)2019映画「越年」パートナーズ
――ああいう人がいるとドキュメンタリーっぽい感じにもなりますしね。
この映画のメガホンをとったグオ・チェンディ監督が、もともとはドキュメンタリー映画で評価された人みたいで。だから、そういう要素もけっこう多いと思います。
クライマックスのふたりが揉み合うところも、引きだけ1発で撮って寄りの画を1回も撮らなかったので。
日本の監督だったら顔の寄りや手の寄りを撮るんだろうけど、引きの1発だけだったから、そういうところがこの監督っぽいと言うか、台湾の人の感性なのかな~と思いました。
――この『越年 Lovers』はマレーシア編、日本編、台湾編の3章からなるオムニバス映画ですが、日本編のエピソードも岡本かの子さんの原作「越年 岡本かの子恋愛小説集」「老妓抄」の中にあるエピソードなんでしょうか?
渋谷駅の階段を上ったところにある岡本太郎さんの大きな絵や、ふたりがコーヒーを飲む岡本太郎さんも通われていた「蔵王」という店名のロッジとそこに飾ってある岡本さんの絵に原作の要素がちょっと含まれているぐらいです。