支配人・岩波律子氏に聞く、ミニシアターの草分け・岩波ホールの“re:START”
社会活動家やフェミニストといったパブリックイメージがあると思うんですけど、おっかさんと呼びたくなる、真の意味で、強い女性でした。
本当にお母さんみたいな人で、常に周囲に目配りしている。岩波ホールの前総支配人、高野(悦子)が存命だった頃、フランスでご一緒したことがあって、お昼を食べないかと言われたのでついていったら、なんとご自宅で。台所で料理を作り始めたら、ずっと作っていてテーブルに戻ってこないんです(笑)(※“高野”は正しくははしご高)。その後日本にいらしたときにも、私とたまたま一緒に帰ることがあったんですけど、“この後食べるごはんはあるの?”と聞いてくる。
それから、銀座の山野楽器に行きたいということでお連れしたことがありました。なんでかなと思ったら、ビデオコーナーで夫であるジャック・ドゥミ監督のソフトをチェックし始めて、“コレは権利が切れてるはず”とかぜんぶチェックしていましたよ(笑)。それぐらい目配りの人でまめ。
おそらくジャック・ドゥミ監督は相当、彼女に助けられたんじゃないでしょうか」
特集:アニエス・ヴァルダ監督 (※写真は『落穂拾い』)
7月18日(土)~8月7日(金)