クリスマスシーズンにぴったりの5曲入りEPをリリース 竹渕慶インタビュー「自分に授かったものがあるなら存分に使って、役割を担いたい」
と親に聞かれたんです。近所にゴスペル教室があって、大柄な黒人のおじさんが教えていて、そこに行ってみたくて連れていってもらいました。2回くらいレッスンを受けて、声の出し方とかを学んだら、先生に「クリスマスイブに教会でミサがあるから、「Silent Night」を独唱しないか」と言われたんです。
――ひとりで歌ったんですか。
竹渕聖歌隊とかも歌ってましたけど、独唱を任されました。でも、めちゃくちゃ練習して挑んだのに、もうボロボロ。知らない人たちの前で歌うのが初めてで、声を出そうとしているのに、ノドでつっかえて出ない。2番はまるまる歌えませんでした。
――うまく歌う以前に、声が出なかったと。
竹渕2番は頭の1行目だけ。それも声が震えて音に全然当てられない。動揺して声が出なくなって、オルガンの音だけで曲が終わって。本当にトラウマになりました。
――でも、乗り越えたんですよね?
竹渕トラウマのままで終わっていたら、「もう歌うのはイヤだ」となっていたと思います。けど、歌い終わったら、ミサに来ていた十何人かの方たちが寄ってきて、「素晴らしかった。きれいな声だった。
天使の歌声だった」と言ってくれたんです。