コロナ禍で何が変わった? 李相日監督×妻夫木聡『PFF・オンライン映画祭』で豪華対談
その人がその場で生きている感じで……。その熱量から役者たちの覚悟が見えてくるし、覚悟があってこそ、成り立っているのかなと」と妻夫木。ここでTHE BLUE HEARTSの結成30周年を記念したオムニバス映画の一編『1001のバイオリン』、そして『怒り』(諸般の事情により、公開時期は逆になった)以来、新作を発表していない李監督に対し、「映画を撮ろうと決める要因は?」と切り込んだ。
実際、人気監督である李監督は『怒り』以降、さまざまな企画に取り組んできたと言い「作業を進めていくと、本当にやりたい“核”とズレていき、かみ合わなくなることも。根幹に迷いがあると、怖くなり、その先に進めなくなる」と複雑な胸中を明かす。その上で、コロナ禍がもたらす変化を経て「その前に準備していたものが、悪い言い方をすれば色あせて見えてしまうというか……。同じ色合いで本当に再開すべきなのか、悩まないといけない」と“その先”を見据えた。
「そうなると、結局『楽しいから』『好きだから』に帰るしかない。
そういう意味で、学生の頃の映画は、恥ずかしくもあり、原則に立ち返ることが、生き残る一番の強みになるのかなと。変化が見えるのはもう少し先。