くらし情報『【おとなの映画ガイド】吉永小百合が寅さんみたいに恋しちゃう母親役。あたふたする息子役は大泉洋。山田洋次監督ならではの下町人情ドラマ──『こんにちは、母さん』』

2023年8月28日 12:00

【おとなの映画ガイド】吉永小百合が寅さんみたいに恋しちゃう母親役。あたふたする息子役は大泉洋。山田洋次監督ならではの下町人情ドラマ──『こんにちは、母さん』

僕の生活なんです、映画は」。

「キネマ旬報」誌のインタビューでも、若い頃は反発した小津映画も「(いまは)心地いいんだね。年を取るとだんだん小津さんの映画がわかってきた」と話している。

【おとなの映画ガイド】吉永小百合が寅さんみたいに恋しちゃう母親役。あたふたする息子役は大泉洋。山田洋次監督ならではの下町人情ドラマ──『こんにちは、母さん』


舞台は向島。浅草や東京スカイツリーにほど近い、隅田川に臨む、花街もあるこの町で足袋屋を営む家族の物語だ。足袋職人だった夫はすでに他界し、息子・昭夫(大泉洋)は家を出てしまって、母・福江(吉永小百合)はひとり暮らし。足袋を売ってはいるがお客もなじみだけ。ほぼ年金生活といっていい。


大会社の人事部長である息子は、会社ではリストラの旗振り役で神経をすりへらし、家では妻との別居、大学生の娘との関係にも頭を痛めている。そんな息子が、ちょっとした用事ができ、2年ぶりに、母の住む家に帰って来た……。

導入部は、オフィス街や、隅田川沿いの風景がインサートされ、バックにかかる音楽も、小津映画のイメージ。話の運びも実に自然で、なんとなくウキウキとしてくる。

【おとなの映画ガイド】吉永小百合が寅さんみたいに恋しちゃう母親役。あたふたする息子役は大泉洋。山田洋次監督ならではの下町人情ドラマ──『こんにちは、母さん』


久しぶりに会った母は、印象が一変していた。髪もショートにして、近所の友達と、ボランティアの仕事をしているというし、どうやら、恋もしているみたいだ……。

恋に夢中の兄、気をもむ妹、とくれば寅さんだけれど、この映画ではそれが母と息子。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.