2019年11月3日 00:00
約250年前からの京都の画壇をたどる 「円山応挙から近代京都画壇へ」展開催
18世紀の京都で新しく興った円山・四条派。その江戸中期から昭和初期までの系譜を一挙に見ることができる『円山応挙から近代京都画壇へ』展が、京都国立近代美術館で11月2日(土)から12月15日(日)まで開催されている。
円山応挙の写生による生き生きとした描写に、当時の京都の人々は魅了された。応挙が確立した円山派は、息子の応瑞をはじめ、多くの画家たちが続き、中でも呉春は四条派と呼ばれる一派を生んだ。この二派を合わせた円山・四条派は、京都画壇の主流となり、近代日本画へ継承されていった。
展覧会では、自然、人物、動物といったテーマを設定し、それぞれの表現や特徴を追うことができる。例えば、保津川や嵐山という画題は、たんに名所を描いたのではなく、画家が好んだ場所であり、その場の臨場感までも写し出していることが作品を見ると分かるだろう。
さらに人物画では、他派とは異なり、温和で品格のある女性像や伝統を超えた画風を試みている。
また、孔雀や虎、犬といった鳥や動物も、よく観察して写生し、毛の一本、動きひとつまでも描こうとしている。それは応挙だけでなく、弟子たちにも引き継がれたことが分かる展示構成である。