2021年10月3日 12:00
「運命を感じながら役に臨みました」上白石萌歌、『ソロモンの偽証』に挑む
周りの期待に応えたい、自分で自分を超えたい。そんな思いで圧をかけてしまうことが多いんです。そういった意味でも、共感しながら涼子を演じられました。
──裁判を傍聴したときのことも聞かせてください。
上白石 ドラマ『ファーストラヴ』で被疑者を演じたときも見に行きましたが、そのときは被疑者の方ばかりを見ていて。涼子が学校内裁判で検事役を務める展開上、今回は検事の方の動きを見るようにしていました。検事って、揺らいじゃいけないんだなと感じましたね。冷静さと正確さを求められる。
それに、人の話をよく聞かなくちゃいけない。裁判中の涼子も、相手の答えを待つことが多いんです。発するだけでなく、受ける大切さはお芝居にもあるものなので、それにちょっと重なりました。
浮所飛貴くんと坂東龍汰くんがムードメーカー
──学校内裁判が象徴するように、この物語においては“事実と想像”もひとつの鍵になっていると言えます。上白石さん自身は、“事実と想像”にどう向き合っていますか?
上白石 例えば人を殺す役を演じるとき、刃物で人を刺すのがどんな感覚なのか、どんな心の動きがあったのかを経験することはできません。涼子みたいに、クラスメイトが死んで真実を暴く立場になることも現実では起こり得ないですし。