大東駿介×浅野和之 日本初演『What If If Only―もしも もしせめて』は夜、寝る前にふと思い出す芝居
大なり小なり、誰もが通ることだし、きっと死ぬまでね。死ぬ間際だって、“ああ、あの時ちゃんと医者にかかっていれば、こんなことにはならなかったのに”と思って死ぬのかもしれない。そういう思いをひとつ、お客さんに投げかける。今、大東君の話を聞いていて、それは気づかされるだろうなと思いましたね。
集中を切らしてはいけない濃密な20分間
――おふたりのほかにもうひとり、“幼い未来”(ポピエルマレック健太朗と涌澤昊生のWキャスト)が登場しますが、その意味についてはどう考えますか?
大東秀逸やと思いますよ。過去は見えるけど未来は当然見えなくて、見えない未来は不安やけど、でもそこにしか希望もきっかけもなくて。それを“幼い未来”という子供で表現するところが秀逸やなと。やっぱり子供って可能性の象徴やし、僕の育て方によって善にも悪にもなる。
ああ、ホンマや、僕の未来って子供や。僕が大切に育てないといけない。僕が今日どういうふうに未来と向き合うかで、未来はソッポ向くかもしれないし、と。責任が生まれますよね。
浅野そこで生きる希望が生まれる、ちょっと光が射す、ってことだね。
左から)『What If If Only―もしも もしせめて』に「幼き未来」