大東駿介×浅野和之 日本初演『What If If Only―もしも もしせめて』は夜、寝る前にふと思い出す芝居
ああ、確かにあんな痛ましいことがあった、それでも僕は生きていく……そんな荒療治を受けているみたいな芝居(笑)。「過去はもう死んでいるし、生きているのはお前やろ?今、お前が生きている道を歩めよ」と言われているような気がして。一歩一歩、これまでの“もしも”を背負って、涙を拭きながら進んでいく。ものすごい勇敢な戯曲だなと思いました。
この作品と『A Number―数』の二作が連続して上演されることも、よく出来ているなと。いち個人の明日を生き抜く感情、成長を描いた『What If If Only―もしも もしせめて』と、自分を形作るものとは何ぞや!?というテーマの『A Number―数』が同時に上演されることで、お客さんは「今、劇場にいるアナタは何者ですか?」と問われるように感じるのではないでしょうか。世界はこれからどうなっていくのか、本当に不安なことはいっぱいあるし、今はしっかりと自分というものを握りしめて、前に進まなければいけない時代なのかなと。そのきっかけをくれる二作品じゃないでしょうか。
浅野素晴らしい締めだね!(一同笑)やっぱりこの作品の“もしも もしせめて”というタイトルは、誰しもが感じることじゃない?あ〜あの時あんなことしてなきゃな〜とかさ。