くらし情報『解決が困難な「派遣社員の雇い止め」裁判…実家がお寺の弁護士が和解できた理由とは?』

解決が困難な「派遣社員の雇い止め」裁判…実家がお寺の弁護士が和解できた理由とは?

そのとき、命がけの思いで弁護士に助けを求めて来ている依頼者もいるのだということを、身にしみて感じました。

もちろん、悲しい出来事ばかりではなく、依頼者が苦しんでいる事件が、良い方向に向かうということも沢山あります。以前、「雇い止め(※)」によって解雇されてしまった派遣社員の方を弁護したことがあります。その方は、あまりにも追い詰められて「私、死にたいです」といったことも口にしており、一体どうなることかと非常に心配していたケースでした。この事件は、派遣労働者が、派遣先のパワハラについて派遣元に改善を訴えたら、派遣契約を解除されてしまったという、とても難しい類型の事件でした。しかし、なんとか和解で解決することができて、依頼者本人も満足してもらえました。それはとても嬉しかったですね。

こうした派遣社員の雇い止め問題は、大抵の場合、裁判を起こしても勝てないので、多くの方が泣き寝入りしていると思います。
派遣先との直接の労働契約が成立することは、ほぼあり得ないという、あまり良くない最高裁の判決が確定してしまっているので、こうした問題で裁判の成果を得るのは難しいのです。ですからなおのこと、解決したときは心の底から良かったなと思いましたね。

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