最高裁が判例変更!「故人の預金債権」が「遺産分割の対象」になると誰が得するの?
については、相続分に応じて当然に(つまり、相続人同士で話し合う余地がなく)分割されて単独に、持っていることになっていました。今回のケースだと、亡くなった波平さんの1億2000万円の預金債権について、サザエさんたちが相続を開始すると、サザエさん、カツオくん、ワカメちゃんたちは、A銀行に対して、それぞれ1億2000万円の3分の1である4000万円ずつを返してくださいという権利を持つことになります。
※ワカメちゃんが預金債権を遺産分割協議の対象とすることに反対した場合
法的にみると、サザエさん、カツオくん、ワカメちゃんの3人が合意をした場合は、「預金債権」を遺産分割協議の対象とすることができるのに対して、ワカメちゃんが預金債権を遺産分割協議の対象とすることに反対した場合は、「預金債権」を遺産分割協議の対象とすることはできず、サザエさんとカツオくんは、それぞれの相続分より多くの預金債権を払い戻すことができなかったのです。
ワカメちゃんが反対した場合、ワカメちゃんは9000万円分の財産を相続できるのに対して、サザエさんとカツオくんは4000万円ずつの財産しか相続できないことになり、末っ子のワカメちゃんだけが得をしていました。