建設現場で工具を落とし歩行者が負傷…この場合の責任は誰に?
ただ、落下させた本人は莫大な賠償金を支払えるだけのお金を持っていないことも少なくありません。そこで、法律上は使用者責任、代理監督者責任というものが認められており、建設会社の社長や現場監督などにも責任を追及することができます」(寺林弁護士)
■犯罪は成立する?
「業務上の注意を怠った結果このような事故が起こったということであれば、業務上過失致死傷罪が成立する可能性があります。これも、事故を起こした本人だけでなく、社長や現場監督にも成立する可能性があります。成立すると5年以下の懲役刑もしくは禁固刑、又は100万円以下の罰金に処されることとなります。
東京オリンピックも近くなり、首都圏では大規模な工事が増えています。一度事故が起きれば重い責任が課されることとなります。工事関係者の皆様には、十分な注意をお願いしたいものです」(寺林弁護士)
厳しい環境での作業は非常に大変だと思いますが、事故が起きないよう十分に注意してもらいたいものですね。
*取材協力弁護士:寺林智栄(ともえ法律事務所。
法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。