大食いタレントに焼肉店が出入り禁止通告…法的に許される?
ただし、お店の社会的評価を考えると、少なくとも出禁にするためには、出禁にするだけの合理的な理由まで必要になると思われます。
では、合理的な理由とはどういったものが考えられるでしょうか。
たとえば、一定の属性に基づいて差別的な選択をしているような場合、例えば、特に理由もなく特定の宗教を信仰している人について一律に入店を断る場合や、人種や民族、性別等により入店を断るような場合には、合理的な理由なく入店を拒否するものと考えられ、入店拒絶行為が客に対して精神的損害を与えたとして、不法行為(民法709条)などの責任を生じさせる可能性があります。
ここで、“食べすぎること”が合理的な理由にあたるかが問題になるところ、食べ放題は基本的に“フードファイターのようなプロまたはプロに準ずる大食いではない一般人”が来店することを前提に料金設定がされていると思われます。
その意味では、今回のプロの大食い選手や、一般人の何倍も食べる相撲の力士などが来店して大量に食事をされると、採算が取れなくなってしまうため、そのような客をあらかじめ一律に断ることには合理的な理由があるといえそうです。
そのため、食べ放題の店で一般人をはるかに超える量を食べる大食いの人をあらかじめ出禁にすることは合理的な制限として社会的にも許容されると言えそうです。