くらし情報『塚原夫妻が『週刊文春』に「掲載差し止め」を要求するも却下 認められたことはあるの?』

塚原夫妻が『週刊文春』に「掲載差し止め」を要求するも却下 認められたことはあるの?

目次

・差し止めは可能なのか?
・裁判所の判断は…
・書いたもの勝ちにはならない
塚原夫妻が『週刊文春』に「掲載差し止め」を要求するも却下 認められたことはあるの?


2018年9月3日、日本体操協会の塚原光男副会長と妻の千恵子女子本部長が、『週刊文春』(文藝春秋社)に掲載された自身の記事が不適切として、東京地裁に「掲載禁止の仮処分命令の申し立て」を行ったことが話題になりました。

このような出版物の掲載禁止要求は極めて異例で、対応が注目されましたが、東京地裁は5日に「差し止めの要件を充足しない」として却下しています。犯罪行為や不貞など、掲載された内容が真実ならば致し方ない部分もありますが、事実と異なる場合はやはり掲載を差し止めたいもの。

そのようなことは可能なのか。また、過去に事例はあるのか。パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解をお伺いしました。

■差し止めは可能なのか?

櫻町弁護士:「名誉毀損にあたる記事が公表されそうなときに、これを一般の目に触れないようにするための法的手段としては、今回のような「出版物(週刊誌等)への記事掲載差し止め」という形のほか、出版(製本)差し止め、頒布(販売、配布)差し止めといった形があります。

このような「事前の」差し止めが認められるかについてのリーディングケースとしては、最高裁昭和61年6月11日判決(民集40巻4号872頁)

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