【90歳が受験したら…】大学入試の減点問題 法律的にどこまで許される?
と主張して、その合否判定の効力を争った裁判例(東京高等裁判所民事第14部平成19年3月29日判決)が参考になります。
同裁判例は
「入学試験における合否の判定にあたり、憲法及び法令に反する判定基準、例えば、合理的な理由なく、年齢、性別、社会的身分等によって差別が行なわれたことが明白である場合には、それは本件入試の目的である医師としての資質、学力の有無とは直接関係のない事柄によって合否の判定が左右されたことが明らかであるということになり(いわゆる他事考慮)、原則として、国立大学に与えられた裁量権を逸脱、濫用したものと判断するのが相当である。」
旨判示しています。同裁判例は、国立大学法人の合否判定に関するものですが、私立大学であっても「国から私学助成金の交付を受けている」点で公的な側面がありますので、同裁判例の判断が当てはまるものと思います。
(ただし、私立大学の場合、独自の学風等があるため、国立大学の場合に比べて裁量は広く認められるでしょう。)
本件では、出生によって自己の意思とは無関係に決まる「性別」による減点には、学生としての資質や学力とは無関係と考えられますので、合理的な理由のない「差別」