相次ぐ保釈中人物の逃亡事件!今後取るべき対策を弁護士が解説
といいます。では、保釈中の被告人が逃亡した場合、どのような犯罪に問われるかについて、(意外な印象を持つかもしれませんが)逃亡それ自体は犯罪になりません。
刑法には、「第六章逃走の罪」として(いくつかの類型の)逃走罪が規定されていますが、これらの犯罪は、逃走の主体が「裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者」、「勾引状の執行を受けた者」など、一定の要件を満たす場合に成立します。
保釈中の被告人は、このような「一定の要件」を満たさないので、逃走罪は成立しません。ただし、何もペナルティがないという訳ではなく、逃亡した場合には保釈が取消しとなり、納付した保釈金は没取(没収)されることになります。
刑事訴訟法第96条
1裁判所は、左の各号の一にあたる場合には、検察官の請求により、又は職権で、決定を以て保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。
一被告人が、召喚を受け正当な理由がなく出頭しないとき。二被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三被告人が罪証を隠滅し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
四被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくは加えようとし、又はこれらの者を畏怖させる行為をしたとき。