相次ぐ保釈中人物の逃亡事件!今後取るべき対策を弁護士が解説
海外逃亡した場合手出しができない?
保釈中の逃亡で、現状罪が重くなることはないようです。そうなると、レバノンのような犯罪者引き渡し条約のない国に海外逃亡してしまえば、日本の司法は「手出しができない」状態になってしまうように思えます。
実際のところどうなのでしょうか?パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解をお聞きしました。
櫻町弁護士:「保釈中の被告人が逃亡し、保釈が取り消された場合、再び勾留されることになりますが、勾留は強制的な身体拘束、すなわち「国家主権の行使」ですから、被告人が日本国外のいずれかの国に滞在している場合、当該国の承認を得ずに勾留すれば当該国の主権を侵害することになってしまいます。
そのため、国外にいる被告人を勾留するに際しては、当該国の協力を求めるということになるでしょう。例えば、平成22年版「警察白書」には、
「被疑者が国外に逃亡した場合には、外交ルートやICPOルートにおける関係国の捜査機関等との捜査協力や刑事共助条約に基づく捜査共助の実施を通じ、被疑者の人定や所在の確認等を進めている。その上で、犯罪人引渡条約等に基づいて被疑者の引渡しを受けたり、被疑者が逃亡先国で退去強制処分に付された場合には、その被疑者の身柄を公海上の航空機で引き取ったりするなどして確実な検挙に努めている。