扶養制度に関する「税法」と「社会保険」における所得の壁の違いとは?
この時期になると、毎年のように「年末調整」や「翌年分の扶養親族等の申告書」が当たり前に出てくるようになります。ここでは、同じように出てくる疑問として「扶養に関する4つの壁」があります。
「扶養に関する4つの壁」とは、扶養配偶者や扶養親族として、世帯主の扶養(生計を維持してもらっている状態のこと)に入ることが出来る上限となる所得金額のことで、各種法令(後程解説します)で定められています。
今回は、この「扶養に関する所得の壁」がどのようなものであるかを解説したうえで、どのような場合であれば、扶養から外れたほうが有利になるかについて説明します。
扶養の所得の壁とは?
扶養の所得の壁は、大きく分けると、所得税法によって規定されている「税法の所得の壁」と健康保険法などで規定されている「社会保険の所得の壁」に分かれます。
それぞれの壁はそれぞれの趣旨をもって設定されている壁です。それぞれの壁の趣旨を理解したうえで、もっとも最適な働き方について考えていく必要があるといえます。
「収入」と「所得」は全く別物
扶養の壁を考えていくうえでは「収入」ではなく「所得」の金額が判断材料とされます。
収入は「総支給額」