「パートを辞めて正社員の就職先を探そう」。夫の携帯に何度も電話をかけ、メールも送りながらも、そのときはただひたすら自分のことしか考えられませんでした。正直、自分をつらい目に合わせる夫に怒り、心の中でなじってもいました。
眠れない、食べられない。上司からは止められたものの普通に会社に行ったり、前々から約束していた友人との会食、読書をして今の境遇を忘れることで、どうにか気持ちを落ち着かせる日々……
居ても立ってもいられず、夫のフェイスブックを覗いて夫の幼馴染みたちに呼びかけました。「夫が行方不明です。幼いころを過ごした地域に行っているかもしれないので、探してください」。
海が好きな夫を探しに、私も自分が行ける範囲の海沿いの場所へ。
夫の写真を持ち歩き「この人見かけませんでしたか?」と聞いて歩きました。
「死ぬまでにもう一度夫に会わせてほしい」
朝から晩まで探しまわっている間は良かったです。しかし、日が暮れて一人で部屋にいると途端に不安に押しつぶされそうに。それを紛らわすために帰宅後はひたすらネットを見ていました。
藁をも掴む思いで普段は興味がない「占い」を利用し、占い師に言われた通り神社もうでをしました。