くらし情報『32歳で完全に視力を失い…難病を患っても医師になった理由「限定的な視野に縛られていた」』

32歳で完全に視力を失い…難病を患っても医師になった理由「限定的な視野に縛られていた」

福場将太さん

福場将太さん


視力を失った全盲の状態で患者と向き合う医師、福場将太さん。北海道美唄市で精神科医として従事する彼は、徐々に視野が狭まる病によって32歳で完全に視力を失った。それでも10年以上にわたり、患者の心の病と向き合っている。福場さんがいずれ失明すると分かりながらも医師を目指し、患者の心の中に潜む悩みや苦しみに寄り添う理由は何か。初の著書『目の見えない精神科医が、見えなくなって分かったこと』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成して紹介する。

■「目が見えなくなるのに、医師を目指す意味があるのだろうか」

「君の眼は、いずれ完全に見えなくなるかもしれない」。新たな運命の歯車が回り始めたのは医学部5年生の頃。白衣に身を包み、患者さんの実際の治療を見学する臨床実習中に病気が見つかりました。


臨床実習では、1年かけて内科、外科、産婦人科……、と全ての診療科を回っていきます。「その時」が来たのは、眼科を回った時でした。診察手技の練習で私の目を覗のぞいた指導医の先生が、私の眼に異変を見つけ、病気が発覚したのです。

病名は、網膜色素変性症。徐々に視力が低下していき、時には失明に至ることもある指定難病疾患。

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