【開催中】『鹿島茂コレクション フランス絵本の世界』 ー愛らしい絵本の世界を堪能ー【MiLuLu】
里子に出すのが普通だったフランスにおいて、里親のほとんどは非識字階級だったため、絵本や児童書を親しむ手ほどきを受けておらず、それ故フランスに根付く下地がなかったことが、大きな理由として挙げられています。
しかし、19世紀後半に子どものための本作りがはじまり、他国と比べてスタートが遅かったのにも関わらず、開花したのちの発達が非常に早く、フランスの絵本文化はたいへん豊饒です。
遠近法表現にとらわれず二次元空間のフラットを生かす、浮世絵の影響を受けたかのようなイラストは、現在の漫画やバンド・シネマに通じるかのような省略と単純化がされています。
同時開催中の『旧朝香宮邸物語』も見逃さないで!
庭園美術館を訪れたなら…本展覧会『 鹿島茂コレクション フランス絵本の世界』と併せて、同時開催されている『旧朝香宮邸物語』も忘れないでください。1952年のアール・デコ博覧会への訪問がキッカケなり、誕生した旧朝香宮邸(現・庭園美術館本館、重要文化財)。
『旧朝香宮邸物語』では、アール・デコにまつわる庭園美術館所蔵のコレクションとともに、旧朝香宮邸に関連する記録や衣装、展示品から歴史を巡りながら、世界的にも貴重な建築としての魅力を存分に味わうことができます。