益子春の陶器市レポート【作家編】パート2 陶器市で訪ねたい、作家リスト
伊藤丈浩さんによる作品。色、柄、フォルムが美しいポットやカップ&ソーサー。
巧みな職人技術で魅せる、現代を代表するスリップウェア/伊藤丈浩さん
それまで“柄もの”があまり得意ではなく、うつわは無地のシンプルなものばかりを選んできた筆者が、初めて柄ものに惹かれたのが、伊藤さんの作品でした。
英国発祥の伝統的な技法である「スリップウェア」という言葉を知ったのも、伊藤さんの作品がきっかけでした。
独学でスリップウェアを習得したという伊藤さんは、2006年に益子で独立。以来その人気は拡大し、全国各地で個展を開催するまでに。
繊細で緻密、時にダイナミックな模様が描かれた作品は、いつまででも眺めていられる“美術品”と言っても過言ではありません。
それはまるでテキスタイルのようでもあり、高度な職人技術に唸らされます。
そして伝統技法を用いながらも、古臭さをまったく感じず、とても現代的な空気をまとっています。
うつわに料理を盛り付ければ、一皿がぐっと格上げされ、食卓が華やぎます。
スリップウェアに限らず、マグカップやピッチャーなどはフォルムも美しいので、植物を生けたり、ただ飾っておいたりするだけでもインテリアとして楽しめます。