今回どうなるのか、楽しみです」(小栗)。「僕は前にも何度か声掛けていただいてたんだけどスケジュールの都合で実現しなくて、ようやく一緒にできるタイミングが来たなって。長塚君は、直接話した印象ではものすごく物腰の柔らかい楽しい人。でも作品からは、僕の勝手な思いだけど、心の中のドロドロとかが見えるような気がする(笑)。見えない部分を、きっとまだいっぱい持っている人だよね。こういう人の作品作りに参加したら楽しいだろうなと思っていました」(小日向)
ソフトな印象の下に凄みを垣間見せるというところに長塚との共通点を見出せそうな小日向は、凄惨な復讐に己の正義を見つけようとする男を演じる。「こういう血生臭い殺戮が実際にあったって初めて知ったんですけど、『長塚君、やっぱりこっち(こういう題材)にくるんだな』って。ますます楽しみ」と、台本の完成を心待ちにする。
対する小栗演じるのは、原作にない長塚創作のキャラクター。「前の舞台(『髑髏城の七人』)からちょっと間が空きましたけど、アイドリングなしでイケそうです」と準備万端の彼が、数奇な運命を背負ってタイムスリップし、武田(小日向)の復讐劇に巻き込まれてゆく青年の心情をいかに表現するか。