古田新太や多部未華子ら豪華布陣が火花を散らすミステリアスな家族劇
劇作家・演出家の長塚圭史にとって、『SISTERS』(08年)以来のパルコ劇場登板となる最新作『ツインズ』が大阪・森ノ宮ピロティホールで上演中だ。パルコ劇場での長塚作品といえば、『マイ・ロックンロール・スター』(02年)や『ラストショウ』(05年)のような、一見普通に見える家族の心理を血なまぐさい恐怖と笑いとで浮き彫りにする作品が印象的。今回も『ラストショウ』で怪演を見せた古田新太や、『SISTERS』に出演していた吉田鋼太郎など、おなじみの“長塚組”が出演。だがそこへ、舞台畑でも進境著しい多部未華子を投じることで、家族劇でありながらこれまでと異なる味わいの舞台となっている。
「ツインズ」チケット情報
舞台はリュウゾウ(吉田)と、看護師で家事をとりしきるローラ(りょう)、料理上手のトム(中山祐一朗)が暮らす海辺の家。そこへ、寝たきりで姿を見せない当主の余命がわずかと知り、リュウゾウの弟・ハルキ(古田)が娘のイラ(多部)を連れてやってくる。ハルキは父の遺産をもらい受け、娘を“この世界ではないどこか”で「人間らしい生活をさせ」るために台湾船に乗せたいと願っているのだ。そんなカネはないと突っぱねるリュウゾウとハルキの対立は悪化するが、彼らの甥夫婦・タクト(葉山奨之)