黒木華×倉持裕。強力タッグで江戸川乱歩の“妖しの世界”に挑む!
観ているうちにどんどん前のめりに引き込まれて、観劇後は“いつかご一緒できたら”と思っていました」と言う。
続けて「今日伺ったのですが、乱歩はもともと、お勢を明智探偵のライバルにしようと思っていたそうなんです。確かに彼女は頭が良く、具体的な描写はありませんが、きっと姿も美しいのでしょう。どことなく振る舞いに品もあり、そのうえミステリアス。何より、私たち普通の人間には想像できないような価値観を持ち、社会的には悪、犯罪と呼ばれるような行為を冷静に、しっかりと計算しながら遂行していくところが、乱歩作品の登場人物ならではの魅力を放っているんですよね」と語る彼女の瞳までがどこか妖しい光を放ち、既に劇世界に入り込んでいるかに見える。
「戯曲に『私、退屈なの』というセリフがあって、それが私は大好きなんです。そんな風に世の中も自分もどこか遠くから見ているようなお勢の視点は、演じる私にとってもとても興味深いもの。早く実際に演じてみたくてたまりません。
と、言えば言うほど、自分で自分のハードルを上げることになってしまいますが」と笑うが、既に準備は万端の様子。乱歩と倉持、ふたりの作家が惚れ込むヒロインに、新たな息吹が吹き込まれるに違いない。