くらし情報『白熱レクチャーが明かす『ラ・ボエーム』の音楽の魅力』

白熱レクチャーが明かす『ラ・ボエーム』の音楽の魅力

園田がピアノで演奏した上で言う。「この最初の休符に、独特の緊張感があって難しいんです。しかも、指揮者から一番遠くにいるコントラバスに指示を伝えなければなりません」。この冒頭が半音階でなかったら、あるいは速度が違ったら、どのような印象になるか?といった実演も。緊迫感溢れるこの半音階の後に全音階の平和な音楽が流れ、対比を作っているのも特長だと、二人は語った。

さらに、音楽が表す登場人物達の性格や物語など、幅広い話が展開。清純で病弱なヒロイン、ミミのアリアについて「楽器も少なく、リズムにもキツさがなく、柔らかい。打算がなく夢を持つミミの性格が表れている」と言う園田に対し、加羽沢が「このアリアにはミミちゃんのしたたかさが顕われているんです」。
平和な音型に突如ファのシャープが入り、続いて気まぐれに音が飛んだり、歌の下でオーケストラがシンコペーションによる音を奏でたりと、“男心をくすぐる”工夫が盛り込まれていることが詳らかにされたのだった。このほか、クイズあり歌ありリコーダー演奏あり……と、豊富な知識とユーモア溢れる趣向で終始、会場を沸かせた二人。「オペラには、難しい・敷居が高いといったイメージもありますが、やっていることは分かり易い恋愛だったり、脇の甘い男が出てきたり(笑)。

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