われわれファンはどちらも聴き逃せない。
来年1月に同じオペラシティで行なわれるアフタヌーン・コンサートでは、鈴木優人のオルガン&ピアノと共演する。昨秋には鈴木が指揮するとモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》の題名役で、バロック・オペラがけっして古楽を専門に歌う歌手だけのものではないのだということを示し、圧倒的な成功を収めた。「鈴木優人さんもどんどんマエストロになっているので、ますますお忙しいでしょうけれど、いろんな公演でご一緒できたらうれしいです」。バッハ、ヘンデルからデュパルク、そして彼女が歌ったNHKドラマ『坂の上の雲』のメイン・テーマ(久石譲)まで、平日午後の公演ということもあり、気軽に楽しめる多彩なプログラムが組まれている。
1998年、プラシド・ドミンゴが主宰するコンクール「オペラリア」で第3位に入賞し、ドミンゴの紹介で、日本人として初めてワシントン・ナショナル・オペラに出演(モーツァルト《後宮からの逃走》ブロンデ役)してから20年。節目の今年、次へ向かう新たな一歩が、今回のCDとリサイタルだ。ずっと第一線で息長く歌い続けていきたいと語る。
「今までやってきたものも温めつつ、新しいことにも挑戦しながら。