ローマ初演時の指揮者でもあるヤデル・ビニャミーニは会見で、「伝統的だが、フレッシュな新しい感覚のプロダクション。素晴らしい作品を日本で再現できるのはうれしい」と語った。主役ふたりもフレッシュな売り出し中の若手。ヴィオレッタ役のフランチェスカ・ドットは初来日。アントニオ・ポーリのアルフレード役で日本でもおなじみだ。彼らふたりもローマ初演時のキャスト。
一方、プッチーニ《マノン・レスコー》はキアラ・ムーティ演出。父親は現代の大指揮者リッカルド・ムーティだ。
2012年に演出デビューした彼女だが、女優として数々の受賞歴を持つ。幼い頃から劇場で父親の仕事を見て育ったことが彼女の大きなバック・グラウンドになっていることは言うまでもないだろう。今回の《マノン・レスコー》のプロダクションは2014年にローマで初演。指揮は父ムーティだった。彼女は演出コンセプトについて次のように語った。
「プッチーニはマノンが最初から自分の宿命を予見しているかのように描いている。私も終幕の砂漠の荒野をモチーフとして、マノンの世界をその砂漠の上に作り上げました」
マノンを演じるのは、ヴィヴィッドなピンクのスーツでひときわ華やかに会見に現れたプリマ・ドンナ、クリスティーネ・オポライス。