愛が詰まった直球のセリフが沁みる、ベッド&メイキングスの新作
ベッド&メイキングス第6回公演「こそぎ落としの明け暮れ」
ベッド&メイキングスの最新作『こそぎ落としの明け暮れ』が、現在、東京芸術劇場 シアターイーストで上演されている。作演出の福原充則は、前作『あたらしいエクスプロージョン』にて岸田國士戯曲賞を受賞。本作が受賞後初の書き下ろし作品となる。
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入院中の姉・和子(町田マリー)の見舞いに訪れた真理子(安藤聖)。同部屋の時村(島田桃依)は少々問題のある患者で、その日も彼女が雑誌を盗んだと、売店の店員・勝呂(佐久間麻由)が病室にやって来る。一方、看護師の吉村芒恵(野口かおる)は、別れたばかりの昭一(富岡晃一郎)と言い争い中。というのもある理由から、芒恵は昭一に30万円を受け取ってもらおうと必死なのだ。するとそこに害虫駆除業者の片桐(吉本菜穂子)、常滑(石橋静河)、近藤(葉丸あすか)が現れて…。
福原らしい、愛らしさと不器用さと面倒くささが詰まった会話劇である。登場人物たちは皆、自分にとって大事な誰かのことを思い、そして行動を起こす。それはもちろん優しさゆえの行動なのだが、その優しさが過度であるため、もしくは方向違いであるために、結果的に空回りしてしまう。