森光子の三大代表作の一つ『雪まろげ』は、昭和50年の青森県の温泉街を舞台に、芸者・夢子がついた小さなウソがやがて大きく膨らんでいく様を描いた人情喜劇で、1980年の初演以来500回を超えるヒット作だ。2016年には森が演じた夢子を高畑淳子で復活上演し、好評を博した。そして2019年、主なキャストはそのままに再演が決定。大阪は4月5日(金)より新歌舞伎座で幕を開ける。
「雪まろげ」チケット情報
夢子を演じる高畑は、2016年に初めて挑んだ際、いかに森光子はひょうひょうと演じていたか実感したという。「私はひょうひょうと嘘をつくことができなかったんです。異常なくらい生真面目なところがあるので、どかどかと嘘をつく感じになりました。私がそんな性質だから、前回も演出の田村さんは伊奈かっぺいさんの詩、『雪~ほんもの~』を読むシーンを足してくれたのだと思います。
そこは森さん版『雪まろげ』と一番違うところかもしれません」。
演じる夢子について「女版寅さんみたいなところがある」と語る高畑。孤独な生い立ちで、大人の顔色をうかがいながら嘘をつくというような幼少期を過ごしていたのではないかと、そのバックグラウンドを想像する。