「仁」が変えるパリの寿司。北海道からフランスへ、地産地消で挑む食文化の継承
というイメージがあったそう。
仁では魚との食べ合わせを追求することで日本酒に対するイメージを払拭した。日本酒はワインと同じで食べ物との組み合わせが大事。日本酒しかないと聞いて険しい表情をする客にもこの食材、この料理にはこの銘柄が合うと説明をすると、探究心の強いフランス人には寿司と日本酒の奥深さが非常に興味深かったよう。それはまさに寿司と日本酒のマリアージュなのだ。「フランスの食材って味が濃くて余韻が長いので、深みのある日本酒ととてもよく合うんです。地場の食材と日本の酒のマリアージュを感じてくれればお店をやっている甲斐があったかなと思います。」北海道からパリへ。そして世界へ客層は観光客から地元の人までさまざま。
地元の人々は記念日や会食で使うことが多いが、観光客は若い人もやってくる。ランチ95ユーロ、夜は145ユーロのコースで決して安いわけではないけれど、ここでしか味わえない地産地消の本物の寿司が食べられるとリピーターも多い。「食の都・パリに根付く食文化を変えるきっかけを作れたのかなと思う。フランス人は古いものを愛し、伝統を重んじ自らのスタイルを頑なに崩さない一方で、ゼロから新しいものを生み出す革新的なクリエイティビティも併せ持つ。