知恵と教養で逆境をのし上がれ!『夢の雫、黄金の鳥籠』
皇帝の側室ヒュッレムが愛した男は、皇帝の側近だった!?
(c)『夢の雫、黄金の鳥籠』(篠原千絵/小学館 フラワーコミックスα)既刊7巻
少女漫画の基本は、≪自分はフラフラしても、相手は自分ひとりに一途≫です。自分が男の排泄所になるというのが、女にとってもっとも屈辱なのです。
だから、たいていの少女漫画に登場する男子は、主人公に対して誠実です。
……という大前提を覆す作品が登場しました。『夢の雫、黄金の鳥籠』です。オスマン帝国の皇帝スレイマン1世の寵姫ヒュッレムを主人公にした歴史ドラマ。『天は赤い河のほとり』の作者が描くトルコもの第2弾です。
『天河』は、主人公が架空の人物だったのでファンタジー色が強いのですが、今作は実在の人物が主人公。
作者初の本格的な歴史物語と言えそうです。
ヒュッレムはスレイマンの妾ですが、好きな人はスレイマンの小姓頭イブラヒムさまです。イブラヒムさま好き好きと思っているのに、夜のお伽はスレイマンさまなのです。Oh……。
じゃあスレイマンさまがヒュッレムだけを愛する一途な人なのかというとそんなことはなくて、ハーレム持ってるスルタン(皇帝)です。
一般的な少女漫画は、主人公はどっちの男にしようかフラフラしてても、男は主人公ひとりに命をかけなければいけないというのに、スレイマンさまときたら、よその女を孕ませてます。