さみしさは“人とのつながり”では満たされない/月読寺・小池龍之介さん(前編)
という交換関係なんです。打算や利害関係が一切なくて、無条件に自我を肯定してもらえる人間関係なんてありません。それは家族やパートナーであっても同じです。
でも多くの人は、自分が何もしなくても特別扱いしてくれる相手、というのを求めてしまうんですね。
――親子やカップルの間には、“特別な絆”や“無償の愛情”が成立しているように見えますが…。
それは、“幸せホルモン”や“愛情ホルモン”と呼ばれるオキシトシンが分泌されるからでしょう。このオキシトシンの分泌によって、相手に対する献身的な愛情が無条件に湧いてきて、相手の欠点が見えなくなります。ところが、やっかいなことに、このオキシトシンの分泌は、長い人でも3年で終わってしまうそうなんです。
“無償の愛”は、刺激が新鮮な間だけ生じる、およそ3年間の幻想なんです。
――それが幻想なら、多くの人は恋愛や結婚なんてしなくなってしまうのでは?
結婚生活は、“特別”だった3年間が終わった後のほうが遥かに長いから、特別な関係なんて幻想だとわかっていて、相手に過剰な期待や要求を抱かない人のほうが、かえって安定したパートナーシップを築けるんですよ。
ところが、得てして「結婚したい」