さみしさは“人とのつながり”では満たされない/月読寺・小池龍之介さん(前編)
――特別な期待や要求をしてしまうからこそ、相手にネガティブな感情を抱いてしまいやすいんですね。
私たちは、目の前の相手の言動が原因で怒ったり不安を感じたりしているように錯覚していますが、本当はもともと自分の中に怒りや不安といった“感情のエネルギー”があって、たまたま目の前にいる人をそのターゲットにしているだけなんです。
人は自分の世界の中に閉じこもっていて、そもそもすごく孤独なんですよ。
相手が自分を愛してくれないから、腹を立てたりさみしくなったりしているのではなくて、私たちはそもそもさみしくて、それを満たしてくれるはずだと思い込んでいる相手が満たしてくれないことに勝手に腹を立てている。因果関係が逆なんです。
「自分がさみしいから、相手に腹を立ててしまうんだ」と理解していれば、むやみにイライラしたり不安になったりしても無意味だと気付くはずですよ。それを自覚できている人はほとんどいませんが…。
結婚でさみしさは解消されない
――家族やパートナーに対して、なぜ過剰な期待や要求をしてしまうのでしょうか?
そこに、“特別な絆”や“無償の愛情”があると信じているからでしょうね。
しかし、残念ながら人間関係というのは、多かれ少なかれ「自分がしてあげたから、相手も返してくれる」