あのとき私が言いたかったのは、心のバリアを取り払って一人の男性として車いすの彼を選んだその女性はステキだな、ということだったんですよね。
『パーフェクトワールド』(有賀リエ/講談社 KC KISS)既刊3巻
『パーフェクトワールド』は、高校時代に好きだった男性と同窓会で再会したら、彼は歩くことができず、車いすの人になっていた、というストーリーです。
絵柄はカワイイのですが、ネタはシビアです。
ラストで、彼が迫ってくる牛が怖くて思わず立ち上がって歩けるようになりました、みたいことは(たぶん)ないでしょう。
「私があなたの足になるわ!」ジャジャーンでハッピーエンド、ということでもないでしょう。
少女マンガは社会の問題や
来るべき未来を先取りする
ストーリー中、「幻肢痛」といって、動かなかったり切断してしまった足が痛むことや、排泄などの健康上の問題を次々とぶつけられます。とはいうものの、テレビでよく見かけるような、「車いすの生活は大変だけど頑張っているんです!」みたいなお涙頂戴の障がい者ポルノでもありません。
障がいを客観的に見つめ、そこで起こる問題をどう解決していくのか、主人公は努力をしていきます。