村上春樹の「さみしい」物語の主人公はたいてい都市で生活している
いわずもがなだけど、世界にはいろいろな文化や伝統がある。婚姻という制度を持たない、婚姻関係を結んでも披露宴にあたるような「式」を特に行わないなど、この広い世界にはそういった民族が必ずいるはずだと思ったのだ。
今我々が行っているこの「結婚式」とは、人類にとって絶対的なものではない。私はそれを証明したかった。もちろん、この考え方がとてつもなく歪んでいることは十分に承知している。
しかし結論からいうと、世界広しといえど、結婚式という慣習を特に持たない民族というのは、どうも存在しないらしかった。むしろ、今の日本社会の披露宴なんて、ライトでかわいいものだ。
親族間の結び付きがもっと強固なミャンマーの山奥に住む少数民族などは、「結婚式」となったら何があっても、這ってでも、命を懸けて出席しなければならない。
『走れメロス』でメロスは友人を人質に妹の結婚式へ命懸けで赴くけれども、たぶんノリとしてはあんな感じである。
親族とただの友人の結婚式とではまたちがうのかもしれないが、とりあえずミャンマーの山奥や『走れメロス』の世界では、「同級生に近況報告をするのが嫌」とかヌルいこといっていられないのは確かだ。