これからの社会は「弱い繋がり」で生きやすくなる/ジャーナリスト・佐々木俊尚さん(前編)
佐々木:夫婦だからってルールで縛りすぎるほうが生きづらいはずなんですけどね。
そもそも結婚相手には、ルールで縛る必要のない、同じようなライフスタイルの相手を選ぶことも重要です。例えば、コレクター癖がある人と、ものが少ない中で生活したい人は絶対に合わないですよね。
人は似たライフスタイルの人と生きるに限るんです。実際、「恋愛の果てにある結婚」というより、生きる上での「セーフティネットの一つ」という考え方の人も増えてきています。
――つまり、これまでのお話をまとめると、様々なバックグラウンドを持った人々が、同調圧力が生まれない程度にゆるく繋がりつつ、困ったときにだけ助け合う、ということでしょうか? 「結婚」も、そのゆるい繋がりの形の一つでしかない、と。
佐々木:はい。100年後くらいには、お年寄りから子どもまで、まったく縁のない人同士で育児や介護をシェアするのが当たり前になっているはず。
まだ今はロールモデルが存在しないため、イメージしづらいかもしれませんが。
――そうですね……。実際にはまったく縁がない人に対して壁を感じる人はまだまだ多いでしょうし。
佐々木:今までの日本って、強い繋がりしかない社会だったんです。