私だけが知っている。それだけで気持ちが高揚する「ひとり映画」という小旅行
私のことを知らないどこかへ行きたくなるとき
たとえば、自分の身の回りのものすべてをシャットダウンして、iPhoneとかパソコンとか、連絡手段を何も持たずに、私のことを誰も知らないどこかへふらっと行ってしまいたくなる。何もかも上手くいっているはずなのに、どうしても心の中の不安や焦りが消えなくてどうにもならないときもある。今自分が思ったこと・感じたことを誰かに吐き出したいのに、誰にも会いたくないときだってある。
でも、仕事もあるし、知人・友人すべての人と縁を切るだなんてなかなかできることではない。誰にも行方を伝えずに失踪してしまうのも、なんだか違う気がする。そんな勇気もないしなあ。結局、頭の中に浮かんでくる逃げ道は全部非現実的であり、行動には移せない。
私は元々海外旅行が好きで、時間とお金さえあれば思い付きでどこへだって行くのだけれど、社会人になった今、土日休みとはいえ時間も取れず、なかなか行けなくなってしまった。
週末旅行、航空券まじで高いんだよ!
旅行に行けなくなってしまった代わりに、映画という名の小さな旅行に出かける。追い詰められるたびに映画を見る。映画の中で、2時間だけ他人の頭に入り込んだり、自分の知らなかった世界を見に行ったりする。