潜在能力を引き出しネコらしさを堪能できる家【住まいの設計】
そして、キャティオに面した東向きの開口部は、切妻屋根が直射日光を遮りながら、心地よい光だけを運んでいます。
さらに「動物行動学」の観点から、ペットとの共生のあり方を考え続けてきた建築家の廣瀬さんが目指したのは、ネコの潜在能力を引き出す家。
「ネコには飼い主の知らない能力がまだまだ隠されている。それを発揮できる家をつくるのが、飼い主の義務です」。
それはネコが全力で遊べる家。
全力でジャンプして、全力で直線距離を走ることができて、全力で爪研ぎに立ち向かえる。
それは土地面積に関係なく、縦方向に伸ばせば狭小住宅であっても可能だといいます。
また室内飼いだとネコに悪いという気持ちが働いてしまいますが、それも間違いです。
交通事故や病気の感染を避けるためにも、ネコは「完全室内飼育」にするべきだと廣瀬さんは語ります。
「室内で引き起こす爪研ぎやマーキングといった問題行動も、こうした退屈させない空間を与えることで解消するのです」。
■ 設計者が考える猫と楽しく暮らす工夫
Point1. キャットウォークと爪研ぎ柱
飛びつき背を伸ばして爪を研げる、サイザル麻を巻いた爪研ぎ柱。
若いルルは勢いよくいちばん上まで登り、ガガガと爪を研ぎながら下りてきます。