下品なマウンティング三昧!大金ゲットで豹変する「傲慢症候群」
そのため、自己正当化せざるを得なかったからだということ。
だからこそ、大金が入った途端に豹変したのだというわけです。
ちなみに、散財しまくり、それを周囲にも自慢し、お金のない人を見下すというこの極端なあり方は、成金にしばしば見られる兆候だと著者はいいます。
ひとことでいえば、品がないのです。
しかも、これだけ派手に消費していたら、いくら大金でも遅かれ早かれ底をつくのは火を見るより明らか。いつまで傲慢な振る舞いを続けられるかは、はなはだ疑問だといいます。
*
他にも本書では、さまざまなタイプの傲慢人間の事例が紹介されています。つまり、「そんな人たちと対峙したとき、私たちはどうすべきなのか」が本書の論点となっているわけです。
なにしろ傲慢な人たちを題材としているわけですから、決して気持ちのいい話ばかりではありません。しかし、現実的に傲慢な人が増えているのであれば、彼らから身を守る術を心得ておく必要はあるはず。
そういう意味で、本書には大きな価値があると感じます。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※片田珠美(2016)『オレ様化する人たち あなたの隣の傲慢症候群』朝日新聞出版
映画への情熱があふれ出す『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』本予告&場面写真