なぜ子どもに算数をやらせる?実は「よりよく生きるため」のもの
著者が教室で、できる子を見ていて感じるのは「集中力の高さと考える深さ」だそうです。
そういう子は、いったん問題を解きはじめると決して顔を上げず、ノートの上で問題と壮絶な戦いを繰り広げるというのです。
しかも、答えを出したとしても、そこで終わらないのだとか。むしろ勝負は、答えを出してから。つまり、自分が出した答えに誤りがないかどうか、あらゆる方法を駆使して確認するのです。
これが、「大切なのは計算の速さではなく、考える深さ」ということの意味。
■自分なりの価値観を持つのが大切
事実、最近の中学入試算数では、レベルの高い学校ほど問題数が少ない傾向にあるそうです。だから速さなど必要なく、粘り強く問題に取り組み、時間がある限りひたすら見なおしをする。
計算の速さは有効な武器にはならず、無理にスピードを上げようとすると、雑になるだけだということです。
「算数の上達=賢くなる」。
そして賢くなることとは、計算が速くなることではないという考え方。
ましてや算数の点数が上がることでもなく、レベルの高い中学の入試問題が解けることでもなく、そういう中学に受かることでもないといいます。
大切なのは、ものを考えることができるようになること。