くらし情報『意識もうろうの父。食べることができなくなった父を前に家族が下した決断は【体験談】』

2023年11月4日 12:10

意識もうろうの父。食べることができなくなった父を前に家族が下した決断は【体験談】

ただ、母はため息をつき、じっと考え込んでいました。父の意向を聞かないまま父の体のことを決められないと。

母の苦悩と願いに寄り添う

母が悩むイメージ


父に会わないまま判断を下すことに抵抗を感じている母に、翌朝私は提案しました。「お父さんに会えるように、病院に頼んでみようか」と。すると母はすっと顔を上げ、強くうなずきました。すぐ病院に、「特別に父に会うことを許可してほしい。治療方針を決めるために必要なのです」と申し入れ、どうにか許可を得ることができました。

病院に着くと、母はベッドで目を閉じる父に呼びかけました。
布団の中で痩せ細った父の足をさすりながら、反応のない父に何度も「胃ろうって知ってるよね? 血管から栄養をとる方法もあるんだって。そのどっちかでいい?」「まだ、もう少し頑張ってくれる?」と繰り返しました。

結局、もうろうとしていた父からはっきりした回答を得ることはできませんでした。でも、母は父に会って言葉を掛けたことで決心がついたようです。病院には胃ろうか静脈栄養のうち、可能なほうの措置でお願いしますと伝えました。父なら私たちの「生きていてほしい」という願いを受け入れてくれるだろうと思えました。

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