世界の医療費事情からみる、海外旅行保険のお役立ち度
海外渡航自由化から約50年。1964年に観光目的の人にもパスポートが発行されるようになって以来、日本人海外旅行者は、2013年には1,700万人を超えています。
ジェイアイ傷害火災保険が自社の海外旅行保険の加入者に対して行った2013年度の調査では、海外旅行中に何らかのトラブルに遭遇する人は、26人に1人とのこと。なかでも、病気やケガで現地の医療機関にかかるトラブルが多くなっています。
海外で医療機関にかかったときの費用は、日本での医療費とは比べものにならないほど高額になります。そのような高額の医療費に対して、旅行者にはどのような備えが必要なのでしょうか。
海外の医療事情って、どうなの?
日本では国民皆保険ということで、全国民が何らかの公的医療保険制度に加入しており、小学生から70歳未満の人については、実際にかかった医療費の3割負担で済んでいます。しかし、海外では、もともとの医療費が高額な上、全額自己負担になることも少なくありません。
それでは、日本人が訪れることが多い国の医療事情をみてみましょう。
世界の医療事情
資料:「世界の医療事情」(外務省ホームページ)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/をもとに執筆者作成
入院や検査には事前に保証金の支払いが必要であったり、設備の整った病院や日本への移送費が1,000万円以上におよぶことがあったりなど、海外の医療事情は日本とは大きく異なります。
海外での治療にも、日本の健康保険が使えることがある!
日本の健康保険には、海外での病気やケガにより、やむを得ず現地の医療機関を受診した際の医療費の一部を、申請によって払い戻しが受けられる、「海外療養費」制度があります。ただし、日本で保険適用が認められている医療行為に限られますし、はじめから治療目的で海外に行き治療を受けた場合も、海外療養費の給付対象とはなりません。
また、日本で同様の治療を受けた場合の金額に換算した上で、自己負担分(原則3割)を差し引いての支給となるため、実際に支払った金額と支給される金額とが大きく異なる場合があります。