新たに出現する106万円の壁 パートの社会保険料が変わる!?
2016年10月、パートタイマーなどの働き方に影響を及ぼす法律の改正があることをご存知でしょうか。2014年8月、「短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大」が決定し、2016年10月から施行されることになりました。
実はこの改正のため、パートタイマーとして扶養内でいくら稼ぐかを検討する際に目安とされる「年収103万円の壁」や、「年収130万円の壁」に続き、新たに「106万円の壁」というものが出現することになります。
コラム「年収103万円の壁が崩れるってホント?」に続いて、今回は、この新たに出現する「106万円の壁」について解説していきましょう。
103万円・130万円の壁とは
会社員の妻がパートタイムなどで働いて年収が、103万円または130万円を超えると、税金や、夫の会社からの配偶者手当の支給の打ち切り、また社会保険料支払いが発生するなどして、世帯としての手取り額が減ってしまうことがあります。そのため、「働いても手取りが減ってしまうなら103万円(または130万円)以内で働こう」とする人が少なくなく、この金額が一種の壁になっていることを表した言葉です。
具体的には、103万円を超えると
- 働く妻自身の所得税が発生する
- 夫の所得税の配偶者控除が受けられなくなる(代わりに配偶者特別控除を受ける)
- 夫の会社からの配偶者手当が受けられなくなることがある
という影響があります。さらに、130万円を超えると、妻自身の社会保険(年金・健康保険)の保険料納付の義務が生じます。
106万円の壁とは
冒頭でも触れましたが、2016年10月から、短時間労働者のうち社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象者が拡がる見通しで、年収130万円に満たないパートタイマーでも、拡大対象となった場合は、社会保険の保険料納付の義務が生じます。
どのように厚生年金の加入対象が拡大されるのか、以下にまとめてみましょう。
図表1 厚生年金・健康保険の加入対象となる条件
資料:厚生労働省ホームページ「年金制度の改正について(社会保障・税一体改革関連)」より執筆者作成