「私と奥さんどっち取る?」不倫相手の詰問に黙り込む夫…妻子持ち不倫の結末は?
宗太「え?」
沙彩「だって、宗太先輩は私が好きなんでしょ?宗太先輩は私といたいって言います」
沙彩は勢いよく立ち上がると、カバンを持つ。
宗太「おい、ちょっ…」
強く腕を掴んだ宗太に、沙彩がキッとにらみを利かせた。
沙彩「痛い!!!」
カフェにいた人たちの視線が一気に集まる。
宗太が手をぱっと離すと、沙彩も少し気まずそうにスーツを整えた。
沙彩「仕事行くので、また後で」
去っていく沙彩に、宗太は頭をかく。
携帯をポケットから取り出すと、さらさからLINEがきていた。
さらさ「もう朝だけど、家につきました。いると思ったけどいなかったから…」
さらさ「帰ってきたら時間ちょうだい。色々話したいことがあるから」
宗太の額にじんわりと汗がにじむ。
(どーすればいいんだよ)
さらさと沙彩の間で、どうにもならない状態になっていた。
タイミングを合わせるかのように、上司からメールが届く。
上司「今日のプレゼンよろしく!期待してます!」
女性の上司になってから、宗太の仕事環境は劇的に変わっていた。
育児と仕事を両立させ、仕事のミスも言い訳せずこなす上司。
そんな姿は会社中で賞賛され、尊敬され、それなりに人望もあった宗太の存在が
あっというまに薄くなってしまっていた。